円蓋部髄膜腫に頭蓋骨血管腫が合併した稀な症例を報告した.症例は70歳の女性,痙攣発症で,10年来有痛性皮下腫瘤を自覚していた.画像上で石灰化髄膜腫とその近傍の頭蓋骨にX線上で骨透亮像を認めた.同部はCT上で均一なhigh density, MRI上でT1 low, T2 high signalを呈し,Gdで均一に増強された.脳血管造影では造影剤の長期停滞を認めた.摘出組織は髄膜腫と連続性のない骨血管腫であった.従来,頭蓋骨血管腫のMRI像に関する報告は少なく,われわれはそのsignalの均一性から,脳内発生例にみられる小出血などの病像変化は少なく,単に運いflowの血液腔が漸次増大することで症候性病変となるものと推察した.髄膜腫との合併に関しては何らかの遺伝的背景が考えられる.