脳神経外科ジャーナル
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眼動脈の起始異常
本間 温小川 智也長尾 省吾
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1998 年 7 巻 11 号 p. 683-689

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抄録

眼動脈はvariationやanomalyの頻度が高く, 起始異常と走行異常とに大別されるが, 多くは無症候で看過されがちである.前大脳動脈起源の眼動脈奇形自験例を呈示し, 臨床的問題点をあげた.さらに脳神経外科領域で重要な起始異常を, (1)胎生期血管吻合の異常発達, (2)内頸動脈の欠損, 形成不全に合併, (3)原始眼動脈の発生異常の3つに分類し, 発生学的, 臨床的に考察を加えた.血管写では常に眼動脈の起始, 走行異常に注意を払い, 内頸動脈写で眼動脈が造影されない場合, なんらかの起始異常を疑い, 外頸動脈写を追加する必要がある.起始異常例では, 手術計画を練っておき, 術中, 周囲組織の損傷に注意する.場合により手術approachの変更も考慮する.

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© 1998 日本脳神経外科コングレス
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