2000 年 9 巻 3 号 p. 190-195
gangliocytomaは, てんかん発作にて発症することが多い.外科的治療はてんかん発作の消失を主な目的とするが, 切除範囲には一定の見解はない.今回われわれは, 腫瘍と周囲のてんかん焦点の切除により発作が消失したgangliocytomaの1例を経験したので, これを報告する.本症例では術前の硬膜下電極による脳波ビデオ同時記録により, てんかん原性域を同定し, functional mappingにて切除範囲内での神経脱落症状がないことを確認した.術後, 合併症を認めず発作は消失した.切除範囲の決定には頭蓋内脳波所見とfunctional mappingが有用であった.