認知心理学研究
Online ISSN : 2185-0321
Print ISSN : 1348-7264
原著
脅威性の知覚が男性顔に対する魅力評定に与える影響
高橋 翠遠藤 利彦
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 10 巻 2 号 p. 165-173

詳細
抄録

顔の魅力に対する進化心理学的アプローチは,異性の容貌において繁殖に寄与する資質の手がかりがヒトに普遍的な魅力規定因であると仮定する.しかし,男性顔において「男らしさ」が知覚される容貌は優れた資質のシグナルであるが,女性は必ずしも魅力を知覚しない.本研究では,「男らしい」容貌から知覚される脅威性もまた,そうした容貌に対する魅力評価を抑制している可能性に着目した.男性顔(無表情・直視)に対する印象評価の多変量解析的検討(研究1),および表情(無表情・笑顔)と視線(直視・逸視)の異なる条件下での魅力評定(研究2)を通じて,評定者の性にかかわらず,脅威性(および脅威表情)の知覚が「男らしい」容貌に対する魅力評価を抑制している可能性が示唆された.ただし研究2では,男女で異なる結果として,女性評定者のみで脅威性が相対的に知覚されにくい場合に「男らしさ」の優れた資質のシグナルとしての側面が魅力として知覚されるようになる可能性も示唆された.

著者関連情報
© 2013 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top