認知心理学研究
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原著
高齢者における日常記憶の自己評価:メタ記憶質問紙による検討
清水 寛之高橋 雅延齊藤 智
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2014 年 12 巻 1 号 p. 1-13

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抄録
いくつかのメタ記憶質問紙は,さまざまな人たちを対象に,日常生活におけるメタ記憶の構造や機能を検討する際に幅広く利用されている.本研究の目的は,メタ記憶質問紙のなかでも代表的な三つの質問紙,日常記憶質問紙(EMQ)と認知的失敗質問紙(CFQ)と日常生活における記憶能力質問紙(MAQ)を用いて,高齢者におけるメタ記憶の特徴および記憶の加齢変化を検討することにある.地域の高齢者大学校に通う60~88歳の高齢者344名を対象に,EMQ(28項目)とCFQ(25項目)とMAQ(31項目)の3種類のメタ記憶質問紙が実施された.その結果(分析対象334名)を,同様のメタ記憶質問紙に対して多数の若齢者(大学生809名)の基準データを得た先行研究の結果と比較した.その結果,人名の記憶を除くほとんどの日常記憶の諸側面において,高齢者のほうが若齢者よりも記憶能力の自己評価が高かった.こうした調査結果は,主として高齢者と若齢者における日常生活での記憶負荷の違いなどに関連して議論された.
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© 2014 日本認知心理学会
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