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認知心理学研究
Vol. 14 (2016) No. 1 p. 21-34

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http://doi.org/10.5265/jcogpsy.14.21

原著

「余白」がもたらす認知的・感性的効果は,東洋絵画や視覚デザインなどの分野で論じられてきたが,ヒトが余白を知覚する心理学的過程を解明する試みはこれまで行われていない.本研究では,この試みの第一段階として,画像内でヒトが余白として知覚する領域(知覚的余白領域)の空間特性を解析した.日本絵画と,円を配置した画像に対し,知覚的余白領域を描線で囲む実験の結果から,この領域にはオブジェクトの近傍,および,オブジェクトに囲まれた空白部分などは含まれないことが示された.この知覚的余白領域の特性を定量的に記述するために,視覚的場の理論に基づく解析を行った.オブジェクトと画枠からの影響力(場の強度)を,刺激画像を2次元ガウスフィルタリングした後の画像強度と見なし,基準強度値以下の領域を余白とする計算モデルの出力を知覚的余白領域と比較したところ,円刺激では0.7,絵画刺激では0.5程度の一致率が得られた.絵画刺激の一致率低下の要因として,オブジェクトの空間的文脈などの影響が示唆された.

Copyright © 2016 日本認知心理学会

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