認知心理学研究
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自閉症スペクトラム指数とワーキングメモリ容量の関係:定型発達の成人における自閉性障害傾向
土田 幸男室橋 春光
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2009 年 7 巻 1 号 p. 67-73

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抄録

本研究は自閉症スペクトラム指数(AQ)とワーキングメモリの各コンポーネントが関わる記憶容量との関係を検討した.自閉症スペクトラムとは,自閉性障害の症状は社会的・コミュニケーション障害の連続体上にあり,アスペルガー症候群は定型発達者と自閉性障害者の中間に位置するという仮説である.自閉性障害者においては音韻的ワーキングメモリには問題が見られないが,視空間的ワーキングメモリには問題が見られるという報告がある.高い自閉性障害傾向を持つ定型発達の成人のワーキングメモリ容量においても,同様の傾向が見られる可能性がある.そこで本研究では定型発達の成人において音韻的ワーキングメモリ容量,視空間ワーキングメモリ容量,そして中央実行系が関わるリーディングスパンテストにより査定される実行系ワーキングメモリ容量とAQの関係を検討した.その結果,AQ高群では低群よりも視空間ワーキングメモリ容量が小さかった.全参加者による相関係数でも,AQと視空間ワーキングメモリ容量の間には負の相関が認められた.しかし,音韻,実行系ワーキングメモリ容量とAQの間には関係が見られなかった.これらの結果は,自閉性障害者で見られる認知特性が,定型発達の成人の自閉性障害傾向でも同様に関わっていることを示唆している.

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© 2009 日本認知心理学会
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