日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
胆管内腫瘍栓を認め,肝内胆管癌との鑑別を要した大腸癌肝転移の1切除例
川村 武史森田 高行山口 晃司岡村 圭祐堀田 彰一
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2009 年 62 巻 3 号 p. 165-168

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抄録

症例は69歳女性で横行結腸癌,腸閉塞の診断で当院に入院となった.腹部CT検査で肝S7に境界明瞭な低吸収域を認め,その末梢の胆管拡張を認めた.腸閉塞解除を目的に横行結腸切除,D3郭清を施行し,術後に精査を行い肝切除の予定となった.術前の画像診断で腫瘍の中枢側および末梢側の胆管拡張を示し,肝内胆管癌との鑑別を要した.3カ月後,肝後区域切除術を施行した.術後病理所見では,胆管内に膨張性に発育する腫瘍が認められたが,切除された横行結腸癌と同様の病理組織像であった.免疫染色でもCK20陽性,CK7陰性と腸型の特徴を示し大腸癌の肝転移と診断した.転移性肝癌が限局性の胆管拡張を示す例はまれであり,大腸癌に併存する肝病変の診断には注意を要すると考えられたため,文献的考察を加え報告する.

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© 2009 日本大腸肛門病学会
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