日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
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特集 主題 I:痔核診療のすべて
V.痔核治療におけるPPHの役割―その適応とメリット・デメリットLEやALTAとの比較におけるPPHの適応や長所短所
梅枝 覚松本 好市北川 達士野地 みどり山本 隆行石井 雅昭成田 清鳥井 孝宏肥満 智紀山崎 学
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2010 年 63 巻 10 号 p. 838-845

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抄録

環状自動縫合器(circuler stapler,PPH=procedure for prolapse and hemorrhoids)による痔核脱肛の手術は,1998年Longoによって発表された手術(粘膜環状切除術,以下PPH)であり,痔核口側の直腸粘膜を環状切除し,痔核脱肛を吊り上げ固定する術式で,疼痛が少なく,QOLにすぐれているため世界で広く行われるようになった.本邦でも2001年より各施設で施行され,術後疼痛の軽減,早期社会復帰,再発率において結紮切除術と比べても差がない,などとIII度内痔核には有用な手術術式と考えられる.一時期PPHによる合併症も報告されたが,PPH機種の改良,手技の向上により合併症が減少した.PPHの特性から,すべての痔核に適応はなく,適応基準を厳格にして症例を選択する必要がある.術者は他の治療法であるLEやALTAにも精通し,長所短所を理解のうえ,痔核・脱肛の適応を的確に判断出来る能力があり,PPHの特性と実技を充分会得したうえで行う手技である.適応症例においては非常に有用な手術と思われる.

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© 2010 日本大腸肛門病学会
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