日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
Oxaliplatin投与による感覚性神経障害に対しOxycodoneが有効であった3例
大城 充長島 誠田中 宏吉田 豊岡住 慎一加藤 良二
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2010 年 63 巻 3 号 p. 169-172

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抄録

治癒切除不能な進行・再発結腸および直腸癌に対してOxaliplatin(l-OHP)の適応が承認され,多くの施設で投与されている.末梢神経障害による神経因性疼痛はl-OHPの用量制限毒性の1つである.原因として神経線維細胞のNaチャンネルの異常が注目されたが,その機序は解明されていない.カルシウム・マグネシウム製剤をl-OHP投与の前後に施行するなどの対応策が講じられているが,我が国では未だ有効な予防法はない.当科でOxycodone投与によって,l-OHPによる神経因性疼痛が著明に軽減しl-OHPの継続投与が可能であった3例を経験した.これらの症例ではOxycodoneの低用量,短期間投与でl-OHPによる神経因性疼痛を軽減できたことから,Oxycodone併用投与はl-OHPの継続投与を可能とする一助となり得ると考える.

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© 2010 日本大腸肛門病学会

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