2014 年 67 巻 5 号 p. 305-309
目的:当院におけるStage II直腸癌の再発危険因子を明らかにする.方法:対象は1990年から2007年の間に当院で根治切除を行った直腸癌Stage II症例133例.臨床病理学的因子に対して単変量および多変量解析を行い,再発危険因子を検討した.結果:男性99例,女性34例,年齢中央値は63歳(34-89歳)であった.5年無病生存率は86.3%,全生存率は94.7%であった.単変量解析では術前CEA>5ng/mlおよび肛門縁から腫瘍下縁の距離≦40mmで有意差を認めた.多変量解析でも同様に術前CEA値,肛門縁から腫瘍下縁の距離が独立した再発危険因子であった.結語:Stage II直腸癌における再発危険因子は術前CEA高値および肛門縁から腫瘍下縁の距離が40mm以下であり,積極的な補助療法を検討すべきと考えられた.