2015 年 68 巻 2 号 p. 68-74
大腸癌取扱い規約第8版に準じた病理学的因子からみたStage III大腸癌の再発危険因子を明らかにする.【対象・方法】1994~2003年に多施設から集積された治癒切除Stage IIIの303例を対象として再発危険因子をretrospectiveに解析した.【結果】再発転移は34.7%で,5年無再発生存率は62.7%,5年生存率は71.8%.再発危険因子の多変量解析で壁深達T4,リンパ節転移4個以上(N2-3),神経侵襲あり(PN1),壁外非連続性癌進展病巣(EX)陽性が有意な独立因子であった.壁深達T4の5年無再発生存率は50.5%(T3以下:73.6%),N2-3は45.6%(N1:73.8%),PN1は54.5%(PN0:71.2%),EX陽性は48.5%(陰性:74.6%)で有意に予後不良であった.【結論】Stage IIIの再発危険因子としてT4,N2-3,PN1,EX陽性が同定された.