日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
Press through package誤飲によるS状結腸穿孔の1例
藤井 研介新田 敏勝川崎 浩資片岡 淳石橋 孝嗣
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2015 年 68 巻 3 号 p. 163-167

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抄録

症例は78歳の女性で,発熱,腹痛を主訴に救急搬送された.腹部全体に筋性防御を認め,腹部CTで遊離ガスと腹水を同定し,下部消化管穿孔による腹膜炎と診断し緊急手術を行った.開腹所見では,便汁性腹水の貯留とS状結腸に10mm大の穿孔を同定し,結腸部分切除および人工肛門造設を行った.穿孔部には,ハサミで一包化されたPress through package(以下,PTP)を認め,その鋭利な角で線状潰瘍が形成されており,PTP誤飲によるS状結腸穿孔と診断した.PTPによる下部消化管穿孔の報告は比較的まれであり,誤飲の認識のない高齢者に多くみられる.高齢者急性腹症の一因として,PTPも念頭におき,診断・治療を行う必要があると思われ,文献的考察を加えて報告する.

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© 2015 日本大腸肛門病学会

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