日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
根治的切除が可能であった横行結腸MANECの1例
浅原 史卓宮内 潤橋本 和彦
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2016 年 69 巻 8 号 p. 436-440

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抄録

症例は72歳,女性.大腸癌検診にて便潜血陽性を指摘され,2次検診の下部消化管内視鏡検査にて,横行結腸に腫瘍性病変を発見された.術前の生検検体の病理学的所見では低分化型腺癌の診断となり,腹腔鏡補助下横行結腸切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検査で腫瘍は固有筋膜まで浸潤しており,神経内分泌癌(neuroendocrinecarcinoma;以下NEC)に相当する成分と粘液産生を示す腺癌の成分とを認めた.腫瘍内での分布範囲として各々量的に30%以上を占めており,mixed adenoneuroendocrine carcinoma(以下MANEC)と診断した.MANECは一般的には悪性度の高い疾患といわれているが,根治的切除後1年経過した現在,無再発で経過観察中である.横行結腸MANECは比較的まれな疾患であり,文献的考察を加え報告する.

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© 2016 日本大腸肛門病学会

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