日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
狭窄を伴う下部直腸癌に対し術前処置(Bridge to Surgery)目的に大腸ステントを工夫して留置した1例
大塚 亮齊藤 修治平山 亮一三浦 康誠高石 瞳
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2017 年 70 巻 6 号 p. 435-439

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抄録

一般的に術前処置(BTS:Bridge to Surgery)として大腸ステントを挿入する際,下部直腸癌に対しては注意が必要である.狭窄を伴う下部直腸癌に対しステントを工夫して留置し,安全に腹腔鏡下低位前方切除術を行った1例を経験した.
63歳女性.主訴は便柱狭小化と腹痛.直腸診で肛門縁より6cmに下縁を有する全周性腫瘍を触知.CTでRaRSRbの腫瘤と,口側に多くの便塊を認めた.人工肛門を回避するため,大腸ステントを挿入.ステント肛門側端が腫瘍の肛門側にはみ出ないように留置.後日腹腔鏡下低位前方切除・両側側方リンパ節郭清を施行.第23病日に軽快退院.下部直腸癌に対するBTS目的でのステント留置は,手術時のdistal marginが過長になり推奨されていない.ステント肛門側端を腫瘍からはみ出させないことで,marginを適切に確保し,人工肛門造設を回避し安全に腹腔鏡下手術が可能であった.

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© 2017 日本大腸肛門病学会
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