2017 年 70 巻 7 号 p. 447-451
症例は55歳,女性.下血を主訴に来院.下部消化管内視鏡検査で上行結腸に全周性の3型腫瘍と直腸前壁に壁外からの浸潤所見を認めた.腹部造影CTでは上行結腸の壁肥厚とダグラス窩の腹膜播種を認め,直腸と子宮へ浸潤していた.また左腎静脈以下の大動脈周囲リンパ節の転移を認めた.2004年2月に結腸右半切除術,D3郭清,低位前方切除術,小腸部分切除,子宮・膣後壁・右附属器合併切除,大動脈周囲リンパ節郭清を施行した.病理組織診断は中分化腺癌,pT4a(小腸,腹壁),pN1,P2,H0,M1b(大動脈周囲リンパ節,腹膜),Stage IV,Cur Bであった.
術後補助化学療法として5-FU+LV療法を6ヵ月行った後,UFT/LVの内服を2年間行い,経過観察した.2014年7月現在,術後10年の無再発生存中である.