2017 年 70 巻 7 号 p. 452-456
症例は13歳女性.骨肉腫・肺転移・脳転移に対して右上腕骨切除,胸腔鏡下両肺部分切除,術後化学療法,Cyberknife療法を受けた後に多発骨転移を認め緩和的放射線療法を行っていた.
嘔吐を主訴に来院し,CT検査で骨肉腫の小腸転移による腸重積症と診断した.保存的加療では改善せず,腹腔鏡下小腸部分切除術を施行した.術後は食事摂取可能となったが,術後16日目に脳転移巣からの出血をきたし永眠した.骨肉腫の小腸転移に伴う腸重積症は稀で,若干の文献的考察を交え報告する.