日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
早期盲腸癌による虫垂重積症の1例と本邦過去42年間の198報告例の検討
服部 晋司豊田 暢彦下村 龍一
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キーワード: 虫垂重積, 盲腸癌, 腹腔鏡
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2017 年 70 巻 8 号 p. 537-542

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抄録

成人での虫垂重積症は比較的まれな疾患で,今回われわれは早期盲腸癌を先進部とした虫垂重積症の1例を経験したので報告する.
症例は86歳,女性.右下腹部痛を主訴に近医を受診し,回盲部での腸重積症を疑われ当院紹介となった.腹部造影CTでは,拡張した上行結腸内に造影効果のある腫瘤と同心円状の構造を有するtarget signを呈し,虫垂根部の腫瘤性病変を先進部にした虫垂重積および回腸結腸型腸重積と術前診断した.腹部症状も強いため,内視鏡的整復は試みず緊急手術を選択した.手術は腹腔鏡補助下回盲部切除術+D2郭清を行った.摘出標本では盲腸に主座をおき,虫垂粘膜を全置換して進展する表在型隆起性病変を認め,病理組織診断では,carcinoma in adenoma(TisN0M0,stage0)であった.
本邦での198報告例から本疾患の診断と治療について検討した.

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© 2017 日本大腸肛門病学会

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