日本大腸肛門病学会雑誌
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主題II:感染性腸炎―up to date―
VI.潰瘍性大腸炎,クローン病,過敏性腸症候群と鑑別を要する疾患─腸管感染症を中心に
清水 誠治小木曽 聖富岡 秀夫池田 京平上島 浩一横溝 千尋高島 英隆
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2018 年 71 巻 10 号 p. 494-505

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抄録

潰瘍性大腸炎とクローン病は狭義の炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)と呼ばれるが,いずれも原因不明の慢性疾患であり,それぞれに診断基準が定められている.診断においては画像診断が重要な役割を担うが,IBDと画像所見が類似する様々な疾患を鑑別する必要がある.近年,IBD治療の進歩とともに免疫抑制性の薬剤が使用される機会が増加しており,腸管感染症の除外診断が益々重要となっている.とくにカンピロバクター腸炎,アメーバ性大腸炎,腸結核,Clostridium difficile感染症,エルシニア腸炎,サイトメガロウィルス感染症などの腸管感染症が鑑別上問題となる.一方,内視鏡的にほとんど異常がみられない腸管感染症は過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)との鑑別が問題となる.本稿ではIBD,IBSと鑑別を要する腸管感染症の診断の要点を中心に解説した.

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© 2018 日本大腸肛門病学会

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