日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
Capecitabineにて高トリグリセリド(TG)血症をきたした大腸癌2例
堀 義城新垣 淳也佐村 博範古波倉 史子
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キーワード: 大腸癌, capecitabine, 高TG血症
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2018 年 71 巻 5 号 p. 207-210

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抄録

症例1:62歳男性.上行結腸癌stage IIIa術後補助化学療法として,Cape-OX療法を開始した.2コース目に入る際の血液検査にて乳糜反応3+であったためトリグリセリド(TG)値を確認したところ1,037mg/dlであった.Capecitabineによる高TG血症を疑い,本剤を中止したところ,改善を認めた.
症例2:62歳男性.直腸S状部癌High risk stage II術後補助化学療法として,Capecitabine単独療法を開始した.2コース目終了時の血液検査にて乳糜反応2+であったためTG値を確認したところ1,058mg/dlであった.本剤による高TG血症を疑い,本剤を中止したところ,改善を認めた.
Capecitabineの有害事象として,高TG血症は比較的まれではあるが,急性膵炎のハイリスク因子であり,注意すべきである.本剤内服中はTG値の厳重なfollowを要する.

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© 2018 日本大腸肛門病学会

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