日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
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主題I:大腸外科領域における鏡視下手術の最前線(ロボットを含む)
IV.ロボット支援下直腸手術の現状と未来
松山 貴俊絹笠 祐介徳永 正則中島 康晃
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2019 年 72 巻 10 号 p. 567-574

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抄録

ロボット支援下手術は,多関節を有する手術器具,手ぶれ防止機構やmotion scalingによる精緻な動作によって,従来の腹腔鏡手術での操作困難性などの短所を補うことができ,特に直腸癌手術のような,狭い骨盤腔内で精密な手術操作を行うことに適している.本邦では2009年にintuitive社のda Vinci Surgical Systemが薬事承認,2018年4月からはロボット支援下腹腔鏡下直腸切除・切断術が保険収載され,ロボット支援下直腸手術の件数は増加している.現在のところ開腹手術,腹腔鏡手術に対する優越性に関する強いエビデンスはないが,技術的難易度が高い症例での有用性が示唆されている.現在いくつかの企業で,新技術を搭載した新型手術支援ロボットが開発されており,今後手術システムの改良による治療成績の向上や,企業間の競合によるロボットや周辺機器の低価格化が期待される.

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© 2019 日本大腸肛門病学会

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