2023 年 76 巻 1 号 p. 14-21
目的:温水洗浄便座(BT)による洗浄と便失禁(FI)の関係をみる.
方法:FI 85例でBTの洗浄方法をLikert scaleで評価した.患者は再診まで洗浄の中止を指導した.FIはFI Severity Index(FISI)で評価し,follow-upのFISI scoreがbaselineの1/2以下で実質的改善(SI)とした.
結果:再診例は81例(95%)で,洗浄中止期間は4週(2-20週)であった.FISI scoreはbaselineよりfollow-upで減少し[18(8-49)vs. 12(0-43);p<0.0001],SIは46%(37/81)であった.follow-upでは38%(31/81)でFIが消失した.FIのSIは随意収縮圧と,baselineのFISI scoreは洗浄の頻度と相関した.
結論:BTによる洗浄はFIの要因であることが示唆された.