2025 年 78 巻 10 号 p. 343-351
2010年代のディープラーニング技術の進歩により,大腸内視鏡領域でのAI開発が急速に進展し,2018年には国内初のAI医療機器EndoBRAINが薬機法承認を取得した.現在,病変検出支援(CADe)や鑑別診断支援(CADx)が臨床応用され,腺腫発見率(ADR)や診断精度の向上に寄与している.CADeの複数のランダム化比較試験では,約10%のADR向上が実証され,CADxも専門医レベルの診断精度を達成している.さらに,深達度診断やSSL識別,病理画像解析によるリンパ節転移予測AI,検査品質向上のCAQシステムなど新たな応用も拡大している.一方,AI技術による長期的な癌死亡・罹患抑制効果の検証は今後の課題である.