日本大腸肛門病学会雑誌
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主題Ⅰ:大腸癌(肛門管癌を含む)の診断・治療 update (モデレーター:野澤 宏彰,平田 敬冶)
V.肛門管癌の診断・治療
山田 一隆佐伯 泰愼高野 正太福永 光子田中 正文辻 順行中村 寧伊禮 靖苗吉元 崇文米村 圭介高野 正博
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2025 年 78 巻 10 号 p. 373-385

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抄録

肛門管癌は稀な疾患であり,本邦においても発生率は低い状況である.肛門管癌の組織型は,欧米では多くが扁平上皮癌であるのに対し,本邦では多くが腺癌症例である.一方,肛門管扁平上皮癌におけるHPV感染に関しては,本邦においても欧米と同様にHPV陽性率は高率であり,遺伝子型はHPV-16が最も高率である.また,肛門管癌は発生部位や組織型によって適応される規約や治療戦略が異なり,本邦では直腸型腺癌については大腸癌と同様に『大腸癌取扱い規約第9版』が用いられ,扁平上皮癌,肛門腺由来の癌,痔瘻癌についてはUICCのTNM分類第8版が用いられている.治療に関しては,腺癌症例では手術療法が主治療法となるのに対し,扁平上皮癌症例では化学放射線療法が主治療法となる.ただし,肛門管癌に関する報告は本邦はもとより国際的にも少ないため,今後更なる症例を蓄積して,適切な規約と治療ガイドラインを作成することが重要である.

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© 2025 日本大腸肛門病学会

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