2025 年 78 巻 10 号 p. 398-407
直腸脱に対する経会陰手術において,本邦で最も行われている術式がGant-三輪-Thiersch法である.簡便で比較的安全に施行可能であり,高齢者が大半を占める本疾患において有用な術式である.一方で,再発率の高さやGant-三輪法による術後出血や直腸穿孔,Thiersch法による術後便秘,Thiersch糸の露出や感染といった合併症の問題も報告されている.
近年,伸縮性を備えたポリエステルメッシュをもとにした人工靱帯であるLeeds-Keio meshをThiersch法に用いることが保険適応となった.当院ではLeeds-Keio-Meshを用いたGant-三輪-Thiersch法を100例以上に施行しており,同手術手技の要点と術後成績についても報告する.
本稿ではGant-三輪-Thiersch法の歴史的変遷,手術手技の要点,ならびに有用性と問題点について解説する.