日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸亜全剔の病態生理に関する実験的研究
下痢の回復機構と回腸運動について
福西 茂二
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1971 年 23 巻 4 号 p. 1-28,63

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抄録

大腸亜全剔回腸直腸吻合時(2群)は術後早期(1~4週)では回腸運動の亢進と経時的には作労性筋層肥大をもたらすが,この際,直腸内圧が回腸運動に及ぼす影響について検討するため,雑種成犬79頭を用い,(1)大腸亜全剔腹部回腸瘻造設(1群),(2)大腸亜全剔回腸直腸吻合兼肛門括約筋切断(3群),(3)大腸亜全剔回腸遊離結腸吻合兼人工肛門造設の3種の実験犬を作成し,術後1,4,12,24各週で,直腸内圧測定,回腸終末部の筋電図および筋層の厚さの測定,そしてレ線映画撮影を行ない,併せて全身所見として,体重,血漿蛋白,ヘマトクリット,便性状および消化管通過時間を測定し,それぞれ各群で比較検討した.1群では1例を除き2~3週以内に全例死亡した.全身所見の回復は2群>3群>4群>1群の順に良好であった.2群では直腸内圧は平均164mmH2Oで,3群および4群では平均65mmH2Oであった.3群および4群では術後早期(1~4週)においては回腸運動は著しく低下し,筋層の有意の肥厚もみられなかった.

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