日本大腸肛門病学会雑誌
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注腸検査用ダブル バルーン カテーテル
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1975 年 28 巻 2 号 p. 117-122,174

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抄録

注腸検査において,診断に価する良い写真を撮るには,(1)検査に長時間を要し,(2)かなりの経験と技術がいる.これら,(1),(2)の解決に多くの問題がある.そのなかで,注腸検査用カテーテルが占める割合は大きい.
現在,一般に広く使われている注腸検査用カテーテルは種々あるが満足すべき製品はない.われわれは,1972年から,高根等とX線テレビを使い,注腸検査を遠隔操作で行う装置の開発を行ってきた.この装置の使用に当り,問題となったのは,検査時,造影剤および二重造影のため送入した空気等が流出し,また,しみ出ることであった.また,体位の変換を行うとき,老人の肛門括約筋不全,小児の激しい動き等により,肛門管からカテーテルがはずれ,検査を1時中止すること等であった.そこで,1973年3月から,注腸検査用カテーテルの開発を急いでいたが,1973年5月,ほぼ満足すべき注腸検査用カテーテルの完成をみた.
注腸検査用カテーテルは,(1)肛門管からはずれない.(2)造影剤および空気がもれない.(3)造影剤および空気の注入,送入および排出ができる.等をとくに考慮した.
注腸検査用カテーテルの開発に当り,上述の(1),(2)は解剖学的理由から,外肛門括約筋を口側と肛門側の両側から,膨んだバルーンではさみ,造影剤および空気の注入,送入の注入口はバルーンの中央とした.なお,口側バルーンと肛門側バルーンの間の幅は約1.2cmとした.(3)は解剖学的理由から,カテーテルの尖端から口側バルーンまでは3.5cmとし,カテーテルの尖端の1.0cm×1.0cmの孔によって,造影剤および空気の注入,送入および排出ができるようにした.年齢に関係なく使えるように,直径,10mm,14mmの2種類を作成した.
検査成績(1)は39症例に使用し,Doubleballoonの空気量は20cc,20cc以上の結果を得た.(2)は4施設281症例に空気量20ccとして追試した.結果,異常が認められなかった.

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