1975 年 28 巻 3 号 p. 207-211,295
大腸癌の早期発見のためには,胃集団検診と同様,無愁訴の者に対する大腸集検が望ましいが,大腸集検をも含め,screening検査としての大腸内視鏡検査として,短時間に大腸癌の好発部位を観察するためには,有効長1.1mのOlympus CF-MBによる無透視下挿入法による左半結腸の観察は有意義である。
そこでscreening大腸内視鏡検査のための前処置のあり方について基礎的検討を行った結果,簡易前処置法(検査前日には特に食餌制限を行わず,午後7時にマグコロール250ml(クエン酸マグネシウム)を投与し,検査当日の朝食を絶食とし,十分排便に努めさせる前処置法)は左半結腸の腸管内の清浄の目的には十分であり,被験者に与える苦痛も比較的少ないことから,その前処置法として有用な方法と考えられた。