日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
家族性大腸ポリポージスの治療方針
奥井 勝二樋口 道雄古山 信明更科 広実太田 幸吉千見 寺勝
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 32 巻 6 号 p. 546-550

詳細
抄録

家族性大腸ポリポージスは,診断学の進歩により,最近多くの報告例がみられるようになった。自験例2例(うち1例は,Gardner症候群)ならびに文献的考察から本症の診断ならびに治療方針について,次の結論がえられた。
1)本症は,比較的若年層に多発し,消化管に多数のポリープを認め,家族性発生,高い癌化率を有する疾患である。従って消化管に多数のポリープを認めたときには,先づ本症を念頭におくことが肝要である。
2)最終的には,大腸全摘術を施行する場合が多いが,現段階では内視鏡的polypectomyが容易かつ安全に行なえるので,まつこれを施行し,病理組織学的検査で癌化の徴候があるときには,大腸全摘術が適応となる。

著者関連情報
© 日本大腸肛門病学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事
feedback
Top