日本大腸肛門病学会雑誌
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人工肛門用装具の現況と今後の動向
穴沢 貞夫東郷 実元高橋 日出雄鈴木 正弥綿貫 〓
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1980 年 33 巻 6 号 p. 560-565,615

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抄録

人工肛門患者の排便法は如何なる人工肛門においても自然排便法が基本である.この自然排便法において人工肛門用装具の占める役割ははなはだ重要であり,適切な装具の選択がafter careの良否を決定するといっても過言ではない.目本における装具の正確な現況調査はなされていないが,粘着性装具があらゆる排便状態に使用可能,優れた防臭力などの点で既存装具の中心を占めていることは疑いなく,また我々が将来求める装具もこの形態をとらざるを得ないだろうと考えられる.しかし既存粘着性装具は幾つかの問題点を有しており,それらのほとんどは粘着部に集約されている.為害性がなく十分な粘着能を持った粘着剤の開発は期待されてはいるものの現在の技術段階では開発困難であり,今後この粘着性装具の限界を補うためには皮膚保護剤と消臭剤の積極的利用が必要と思われる.そしてこの皮膚保護剤と消臭剤の可能性に対する科学的検討が必要である.

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