日本大腸肛門病学会雑誌
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臨床的逆追跡からみた大腸ポリープの自然史
多田 正大下野 道広本井 重博須藤 洋昌郡 大裕川井 啓市
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1981 年 34 巻 2 号 p. 73-77,154

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抄録

大腸癌や腺腫の生体内における自然史に関して,明らかでない点が多い.殊に内視鏡検査の普及によって,大腸ポリープは発見され次第にポリペクトミーによって切除されるのが通例であるため,その長期経過観察例は稀である.
著者らは大腸ポリープ7例について,経過観察することができたので,その自然史の一端について検討した.その結果,大腸癌のvolume doubling time(tD)は344.8日であった.腺腫では大きさにほとんど変化がないもの,急速に成長するもの,がみられた.成長する腺腫(腺管腺腫)のtDは213.4日であり,癌よりも短期間であった.腺腫の成長率の差は,その発生部位や個人の排便回数の差による細胞脱落因子によるものか,それとも宿主因子によるものか現時点では解明できないが,同様の数少い症例を集積して解明されるべき問題であると思われる.

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