日本大腸肛門病学会雑誌
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肛門癌の予後
磯本 浩晴笠井 道主橋本 謙林田 啓介山内 胖掛川 暉夫
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34 巻 (1981) 5 号 p. 509-514

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抄録

肛門癌の予後について自験例を中心に,主に組織型,壁深達度,リンパ節転移,及び発生部位等の諸因子について検討した。
症例は直腸肛門癌396例中の外科的肛門管に癌腫の中心を有する肛門癌30例で切除例28例を対象とした・組織型別には腺癌13例,扁平上皮癌9例,及び粘液癌4例,他2例であった.予後は扁平上皮癌がもっとも良好で,治癒手術の6例中全例が5年以上に生存し,その壁深達度は,a1,a2に多く,リンパ節転移も6例中4例がni(+)であった.腺癌は治癒手術に至らなかった例が多かったが,全切除の5年生存率は92.9%(3/7)で直腸癌より低率であった.管内型と管外型の違いは症例が少ないため比較できなかった.粘液癌は少数ながら予後不良であった.リンパ節転移のnz(+)以上の症例の5年以上生存者がなく,局所浸潤の強い症例が多く,さらにリンパ節の多方向性転移が多かった.又,腫瘍の発生部位別及び組織型別のリンパ節転移などの関連を示唆する所見も得られた.

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