日本大腸肛門病学会雑誌
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肛門手術後障害の統計と手術手技について
河野 一男衣笠 昭鈴木 信夫松島 善視
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1983 年 36 巻 6 号 p. 578-583

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抄録

肛門手術後障害についてはこの10年間種々論議され最早後障害の多い手術,反対にそれの少ない良い手術の区別は結論されていると思われる.しかし我々は今日でも日々後障害の治療に多くの時間をさいている(9%).それは肛門部の特殊性をわきまえず手術の名前だけにとらわれて安易に施術するためであろう。
後障害手術々式は肛門狭窄に対しては狭窄部切開,SSG全周性粘膜脱には環状切除後3ケ所SSG,肛門括約不全には前方又は後方のsphincter replacement operationであり,肛門前部または後方の筋群が用いられる.
後障害予防のため壊死注射療法,ホワイトヘッド氏手術は行わない.痔核結紮切除術は上皮の取り幅を狭く,skinbridgeは広く残す.皮下粘膜下の静脈瘤は出来るだけundermindに丁寧に別出する.痔痩手術は組織を出来るだけ温存しfistulotomy, Hanley氏法,括約筋温存手術,筋肉充填術等を行う.

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