日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
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横行結腸に全層性炎症を伴う限局性狭窄を来たした潰瘍性大腸炎の1例
佐々木 英藤見 是下河辺 正行日高 令一郎村山 俊二宮園 一博豊永 純谷川 久一森松 稔龍 嘉昭
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36 巻 (1983) 6 号 p. 645-649

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抄録

粘血下痢便と腹痛を主訴とする25歳女性.10年前に注腸透視及びロマノスコピーにて潰瘍性大腸炎の診断をうけている.入院時臍下部に腫瘤を触知し注腸透視にて横行結腸に幅広い狭窄をみとめ他の腸管にはハウストラの消失,炎症性ポリープ及び潰瘍を認めた.内科的治療にて軽快せず横行結腸部分切除をうけた.切除標本にては,潰瘍,炎症性polypの多発と筋層の肥厚が著明であった.組織学的にはcrypt-abscess, fissu-ring ulcer全層性の線維性肥厚を認めまた漿膜側にはlymphoid aggregateが見られた.その後再入院し左側結腸切除をうけた.切除標本にては,潰瘍の多発と炎症性polypが認められ,組織学的には粘膜及び粘膜下層の細胞浸潤とcrypt-abscessがみられた.本症例は潰瘍性大腸炎の経過中に横行結腸に幅広い狭窄を認め,組織学的には一部クローン病と類似した所見を呈した意味ある症例と思われる.

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