日本大腸肛門病学会雑誌
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潰瘍性大腸炎手術例からみた各種重症度判定指標の比較検討
吉田 隆亮原口 靖昭坂田 純一郎中村 茂大橋 剛神戸 光岩下 徹田仲 謙次郎谷川 尚香月 武人
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1984 年 37 巻 1 号 p. 8-17

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抄録

潰瘍性大腸炎手術例4例 (難治性2例, 重篤合併症発現2例) の入院後手術に到るまでの病態の推移を, 既報の活動度評価法により比較検討した.6評価法中3方法は病態の推移をほぼ忠実に表現したが, 他の3方法はいずれも病態を部分的, また全体的に過小評価する傾向がみられた.正当に病態を評価した3方法はMyrenら, UCAI, Talstadらによるものであった、この中で, Myrenらによるものは質的判定法であるが, UCAI, Talstadらの方法は量的判定法である.臨床的には, 先ず病態把握のためMyrenの方法を用いる.経過追求, 薬剤の効果判定等には後者が有用である.難治性, 全大腸炎型を示す潰瘍性大腸炎では, 上記評価法を用いて病態を判定し, 評価の改善が認められない場合には躊躇することなく外科的手段を講ずべきであると考える.

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