日本大腸肛門病学会雑誌
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Yersinia 腸炎
坂本 清人山崎 節今村 健三郎杉尾 賢二原口 幸昭本村 良次岩下 明徳豊島 里志
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1984 年 37 巻 6 号 p. 662-672

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抄録

Yersinia enterocolitica による急性終末回腸炎の5症例を呈示し以下の知見を得た.年齢は22~65歳 (平均39歳), 女性3, 男性2名であった.2例に便培養にてY.e.が証明され, 全例にY.e. (0 : 3) に対し80倍以上の血清抗体価上昇を認めた. (1) 自覚症状として虫垂炎様症状を呈したものはわずか2例にすぎなかった.一方, 理学的所見における回盲部圧痛が全例に認められ小腸造影施行のきっかけの1つになっていた. (2) 終末回腸のX線像は浮腫, パイエル板およびリンパ濾胞の過形成の所見の椎移により経時的に5期に分類された。 (3) 終末回腸の内視鏡像として, 境界鮮明な潰瘍, びらん, タコイボ隆起, 粗〓粘膜, 発赤が認められた。 (4) 本症では大腸にもタコイボ隆起が多発性に認められ, その生検組織像はリンパ球の浸潤あるいはリンパ濾胞の過形成から成っていた.

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