38 巻 (1985) 3 号 p. 253-257
直腸脱の治療に関しては非常にvarietyに富んでおり,わが国でも従来Thiersch法,最近はGant-三輪法が用いられ,開腹手術としては小腰筋あるいは仙骨固定術式さらにはRipstein方式等が用いられてきた.
私は経験的に簡単に行える方式として,直腸の部分をタテに縫縮する術式を試みてきた.初期には粘膜をintactのまま縫縮していたので再発率が高かったが,最近は電気メスによりタテに粘膜を焼灼するという方式を加えて再発率は著しく低下した(44例中6例,27.3%).この方法は安全で,とくに全身疾患,精神障害,全身衰弱等が多発する高齢者において良い適応を示すと思われる.