日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸癌の発見過程とそのRetrospective Studyとくに早期大腸癌を目的として
泉 正治西沢 護野本 一夫細井 董三岡田 利邦山田 耕三牧野 哲也志賀 俊明古沢 英紀前田 一郎国吉 宣俊尾辻 真人中村 恭一
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1987 年 40 巻 3 号 p. 254-260

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抄録

目的・材料:大腸癌とくに早期大腸癌を効率よく発見するために,過去7年6カ月にX線および内視鏡により,ほぼ健康人から当センターで発見された大腸癌155例166個について次のような成績を得た.
方法・成績: 1)初回発見癌のX線の見落し率は進行癌で1.6%,早期癌で4.7%.
2)胃検診対象群と大腸検診希望群では,前者からの発見率は2,0%,後者は5.2%であるが,早期癌の割合は前者83%,後者46%.
3)症状からみると出血からの癌発見率8.4%,無症状者からは1.8%であるが,早期癌の割合は前者が32%,後者が91%,
4)経過発見癌21例の初回検査のretrospective studyではS状結腸の見落しが多く,初回所見では無茎性隆起や平盤状隆起が多い.(結論):ほぼ健康人から多数の大腸癌が発見されたがとくに早期癌については愁訴のあるものだけでなく,50歳以上の無症状者にも積極的に検査を行う必要がある.

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