大腸sm癌の治療方針に対して,ポリペクトミーか根治手術かの適応を設定するために,71例の摘除ポリープおよび腸管切除標本より,肉眼形態,大きさ,病理組織の違いによるリンパ節転移のrisk factorを検討した.肉眼形態では有茎型Ipは病理組織学的に悪性度が低く,陥凹を伴った病変,すなわち扁平隆起陥凹型IIa+IIcと陥凹型IIcは悪性度が高かった.大きさでは20mm以上よりリンパ節転移陽性例を認めた.組織型では分化度の低い腺癌はリンパ節転移のriskが高かった.以上より大腸sm癌のポリペクトミー適応例は,高分化型腺癌で,(a)Ip型,(b)20mm未満の無茎型Isと扁平隆起型IIa,手術適応例は,(a)分化度の低い腺癌,(b)20mm以上のIs型とIIa型,(c)IIa+IIc型とIIc型と結論し得た.