41 巻 (1988) 1 号 p. 39-43
本邦における潰瘍性大腸炎家族発生例についてHLAに検討を加えたものはきわめて稀である.著者らは姉妹に発症した潰瘍性大腸炎についてHLAを検討し,文献的考察を加えた.症例:7人兄弟の姉(39歳,昭和23年生)と妹(37歳昭和25年生)に発症した潰瘍性大腸炎である。姉は25歳時,直腸炎型で発症,経過中5回再燃を繰返し,次第に左側大腸炎型(中等症)へと進展した。一方,妹は36歳時,直腸炎型で発症した軽症のものである。姉妹ともHLA typeは全く同一で,本邦において潰瘍性大腸炎との相関が指摘されているHLA-Aw24-Bw52-DR2のhaplotypeであり,本症の発症に遺伝子因子の関与の重要性を示したものと思われた,症例報告に加えて,潰瘍性大腸炎の家族発生例頻度およびHLA typeについての本邦および欧米の報告について文献的考察を行った,