1988 年 41 巻 4 号 p. 335-343
PHA幼若化反応,NK細胞活性,単染色法によるT cell subset, two color immunofluorescence法による機能的T cell subsetをパラメーターとして大腸癌所属リンパ節の免疫動態について検討し,以下の結論を得た.1)所属リンパ節のPHA幼若化反応,NK細胞活性は,非所属リンパ節に比べて低下していた.2)所属リンパ節のOKT3陽性Tcellは非所属リンパ節に比べて低値を示し,所属リンパ節のTQ1陽性OKT4陽性T celI, Leu2a陽性Leu15陽性Tce11は,非所属リンパ節に比べて高値を示した,以上より,大腸癌の所属リンパ節の抗腫瘍性免疫反応は抑制状態にあることが分かった.