日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸内視鏡的ポリペクトミー後の予後
今城 眞人丸山 洋大久保 靖嘉和知 靖之川合 重夫八重樫 寛治三島 好雄高橋 勝三渡辺 正道中野 好
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1988 年 41 巻 4 号 p. 383-389

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抄録

過去15年間に1,085個(597例)の大腸ポリープに対し内視鏡的ポリペクトミーを施行した.これらの症例におけるポリペクトミーの予後について,合併症と予後,大腸早期癌症例の背景因子と予後,腺腫ポリペクトミー後のfollow-upの検討を行った.ポリペクトミーに伴う合併症は5例(0.8%)に認められたが,手術を必要とした例はなく,いずれも予後は良好であった.ポリペクトミーを行った早期癌は65例(Sln癌13例,m癌52例)で,ポリペクトミー症例の11%であった.背景因子として大腸進行癌に併存29%,早期癌多発例12%,腺腫併存例を58%に認めた.現在までのところ早期症例の予後は良好である.腺腫ポリペクトミー後のfollow-up88例の検討では,検査時見逃しの危険性が指摘され,とくに腺腫多発例においては再発見率が高く,risk factorと考えられた.

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