日本大腸肛門病学会雑誌
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日本人大腸癌患者の腸内細菌叢と糞便中排泄胆汁酸に関する研究
篠原 央
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1990 年 43 巻 1 号 p. 33-43

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抄録

現在の日本人の平均的生活様式をとっていると思われる大都市周辺に在住する65歳以下の大腸癌患者と正常対照群および腺腫群の糞便中細菌叢の同定・定量と糞便中排泄胆汁酸の測定を行い検討した.腸内細菌叢については好気性菌では Candida, Enterobactor などが正常対照群に有意に多く見られ, β-グルコシダーゼ活性の強い Streptococcusには差は見られなかった.嫌気性菌では菌群レベルでは対照群の Fusobacteriumが結腸癌に比較して有意に減少しているが, 総菌数や嫌気性菌好気性菌比には差はなく Hill らの発表した欧米人における成績とほぼ同じであった.菌種レベルでは従来述べられている発癌に正の相関にある細菌群などに一致して正の相関を示す結果は得られなかった.胆汁酸では大腸癌群で1次, 2次胆汁酸とも増加傾向を示し, とくに大腸癌発癌危険群に位置する腺腫群が, 1次, 2次胆汁酸とも大腸癌群と正常群の中間値を示した.

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