43 巻 (1990) 3 号 p. 337-342
Davis らによって開発されたポリエチレングリコール電解質液を用いて, 大腸手術例18例に対し手術前に経口的全腸管洗浄法を施行した.洗浄液投与 (総量4,000ml) 開始から投与終了後3時間までに排泄された総便量は平均2433±777g (mean±SD), 総尿量は平均1005±593mlで, ヘマトクリット, 血中 Na・K・Clに著しい変動はなかった.血中抗利尿ホルモン濃度・血漿レニン活性は投与終了直後に軽度低下したが, いずれも生理的変動内であった.腸管からのポリエチレングリコールの吸収はごく微量と思われ, 12例中2例に投与直後の血中に微量が検出されただけであった.洗浄効果は1例を除いて良好で, 縫合不全や創感染もみられなかった.このような経口的全腸管洗浄法は安全かつ有効な方法であると思われた.