日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
結腸癌の腹膜転移に関する臨床病理学的検討:予後と手術方針を中心に
佃 信博沢井 清司谷口 弘毅高橋 俊雄
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44 巻 (1991) 2 号 p. 172-176

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抄録

教室にて過去18年間に経験した結腸癌手術症例218例のうち腹膜転移陽性(以下P(+)群)は16例(7.3%)であった.P(+)群の男女比は2.2:1で男性が多く,占居部位では盲腸と上行結腸の右半結腸が43.8%を占めたのに対しP(-)群では右半結腸は25.7%を占めたのみで,有意差を認めた.全周性の腫瘍もP(+)群では87.5%と多く,P(-)群の58.9%に比べ有意差(P<0.05)を認めた.またP(+)群はすべてS2以上の腫瘍で,組織型ではpoorly,mucinousの低分化型腺癌が18,8%と,P(-)群の2.5%に比べて有意に(P<0.025)多く認められた.切除率に差はなかったが,1年生存率はP(+)群が48.6%,P(-)群が86.1%とP(+)群で低い傾向にあった.しかし腹膜転移の程度別で見るとP1で83.3%,P2,3で33.0%と転移の程度により生存率に有意差(P<0.05)を認めた.したがって,P1症例に対してはP(-)症例に近い生存率が得られているため,P(-)症例に準じた治癒切除をめざすべきであると考えられた.

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