日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
直腸癌術前照射による組織学的照射効果の検討
臨床所見・組織所見との関連性
更科 広実斉藤 典男布村 正夫中山 肇滝口 伸浩奥井 勝二轟 健岩崎 洋治大津 裕司
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44 巻 (1991) 3 号 p. 312-320

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抄録

抗癌剤を併用した直腸癌術前照射49症例の組織学的照射効果を5段階に評価し,照射前の臨床所見・生検組織所見と比較検討した.その結果,著効例の出現に20%以上の差を認めたのは,性別(女性>男性),環周度(2/3周未満>2/3周以上),組織学的分化度(高中低分化),cellular atypism(CAT2>1>3),structural atypism(SAT2>1>3),infiltration(INFβ>α>γ),癌細胞の粘液量(少いもの>多いもの)などの所見であった.これらのうちCATの程度と照射効果の間には統計的有意差(P<0.05)が認められ,環周度との問には有意差傾向がみられた.
以上の成績から,照射による治療効果を照射前に予め予測する上で,一部の臨床所見や生検組織所見の有用性が示唆され,照射効果に影響を及ぼすこれらの要因を考慮した術前照射療法の実施が重要と考えられた.

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