日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
大腸穿孔に対する外科治療上の問題点
小牧 隆夫木元 正利牟禮 勉岩本 末治今井 博之笠井 裕忠岡 好之吉田 和弘藤森 恭孝山本 康久佐野 開三
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 45 巻 1 号 p. 101-105

詳細
抄録

過去17年間に教室で経験した大腸穿孔22例を,臨床病理学的に検討した.年齢は45歳から87歳平均65.2歳,男16例・女6例であった.単発穿孔19例と多発3例(計25穿孔)の部位は,S状結腸(48%)が最も多く,ついで横行結腸(24%),下行結腸(12%),直腸(8%),上行結腸ならびに盲腸(各4%)の順であった.医原性穿孔例に対しては,一期的縫合で治癒できたが,特発性や大腸憩室に起因する症例は,exteriorza-tionのみでも死亡例(22例中6例,27.3%)が多く,術後のARDS,MOF,エンドトキシンショックに対する積極的な治療が救命につながるものと思われた.

著者関連情報
© 日本大腸肛門病学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top