日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
マウス脾内に接種したColon 26細胞の肝転移に対するUFT, Cisplatin全身投与および摘脾の効果に関する研究
菅谷 義範
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 45 巻 2 号 p. 132-137

詳細
抄録

大腸癌肝転移に対する全身化学療法の抑制効果を見る目的で,マウス脾内にColon26細胞を接種し,その後は無処置とした対照群(N=24),接種後9目で摘脾した摘脾群(N=25),UFTとCisplatinによる全身化学療法を行った化学療法群(N=23),摘脾と化学療法を併用した摘脾・化学療法群(N=23)の間で肝転移発現頻度,肝転移数および最大径を比較した.肝転移の発現頻度には4群の間で有意な差を認めなかったが,肝転移数は対照群に比して化学療法群および摘脾・化学療法群で有意な減少を見た.摘脾群でも対照群に比して肝転移数は減少したが,有意な差を見るにはいたらなかった.肝転移最大径は対照群に比して化学療法群,摘脾・化学療法群で有意に小さくなったが,摘脾群では対照群に比して有意に大きくなった.以上の結果から化学療法はColon26細胞の肝転移を防ぐことはできないものの,その増殖を抑制しうることが示唆された.

著者関連情報
© 日本大腸肛門病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top