日本大腸肛門病学会雑誌
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分娩後急速に増大した若年大腸癌両側卵巣転移の1例
向井 正哉野登 隆安田 聖栄堀江 修池田 正見徳田 裕田島 知郎三富 利夫
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1992 年 45 巻 2 号 p. 209-213

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抄録

症例は26歳,女性.1984年1月19日,第1子出産.新生児には異常を認めなかった.その後子宮の収縮が遅いといわれていたが,同2月9日退院となった.退院後同2月12日より心窩部不快感が出現し,分娩後の1カ月健診にて下腹部に子宮外腫瘤を指摘され当院紹介入院となった.入院後腫瘤は急速に増大しほぼ全腹部を占拠するようになった.諸検査の結果,下行結腸癌,両側卵巣転移と診断し同3月7日手術を施行した.大腸癌は下行結腸に鶏卵大の腫瘍として認められ〔P2H0N3S2(p2n2se)〕,左半結腸切除(R2)+単純子宮摘出,両側卵巣,付属器切除術を施行した.摘出卵、巣重量は3,000gにもおよび被膜が一部破綻していた.このため術後自家骨髄移植を併用した大量化学療法を計2回施行したが病勢は進行性であり術後全経過約1年半で永眠となった.今回われわれは,分娩後急速に増大したきわめて稀な若年大腸癌両側卵巣転移の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

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