日本大腸肛門病学会雑誌
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右側結腸癌におけるリンパ節転移ならびにリンパ節郭清の検討
山口 茂樹大木 繁男城 俊明今井 信介松尾 恵五浜畑 幸弘深野 雅彦時任 敏基舛井 秀宜長谷川 信吾佐藤 靖朗山腰 英紀福島 恒男土屋 周二
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1992 年 45 巻 6 号 p. 823-828

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抄録

右側結腸癌におけるリンパ節転移,切除郭清範囲と5年生存率,および再発症例について検討した.対象は盲腸から横行結腸までの右側結腸癌根治手術116例である.リンパ節転移は49例(42.2%)にみられ,n1 36例,n2 10例,n3 3例で,癌腫より5cm以上離れた結腸壁在および旁結腸リンパ節(n2,n3)への転移はなかった。累積5年生存率はDukes A 81.8%, Dukes B84.3%,Dukes C74.9%だった.絶対治癒切除症例の5年生存率は81.6%,相対治癒切除では72.8%で有意差はなかったが,絶対治癒がやや良好であった(P=0.06).しかし腸管切離不足による相対非治癒切除でも75.0%の5年生存率であり,治癒切除に劣らなかった.再発症例はリンパ節転移陽性,深達度s以上,中・低分化腺癌に多い傾向があった。右側結腸癌手術における腸管切離は癌腫から5cmで十分なものが多いと思われた.

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